今日は 父の誕生日である。
もう15年以上前になるが 私が15歳の時に他界した
私の愛する父の誕生日である。
生きていたら 今年は還暦の60歳。
昭和22年 亥年の生まれの人だ。いわゆる団塊の世代の一人だった。
父が好きだったモンブランケーキを一つ
そして 母と私が好きなワインを一本
今日のお祝いの日に 準備した。
お仏壇に ちょこんとお供えして
私たち二人 ちょこんと座る。
ろうそくに火をつける母のそばで
私 「ねぇ やっぱり誕生日も お線香立てるのかなぁ・・・」
母 「歌 うたうのもねぇ・・・」
白檀の香りのお線香に火が灯った。
三本のお線香を 一本づつ 大事に 大事にたてる母・・・
やっぱり 手を合わせるのはどうも・・・と思ったらしくて
お仏壇の父の写真に向かって 話し始めた。
「パパ 今日はパパの誕生日ですね。そちらでも 歳とりますの?
それとも若いままですか? あなたの好きなモンブラン どうぞ召し上がって・・・
今夜は ワインで乾杯しましょっ!」
そして やっぱりいつもの癖で 最後の〆は
静かに 手を合わせて ゆっくりと拝んだ。
父が生きていたなら と思うことが よくある。
特にお酒好きの私は 大人になってから
父と二人で 飲みに行きたかったな・・・って よく思う。
今年度いっぱいで 退職したであろうから
来年の4月からは 父が夢見ていた自由人生活が始まっていただろう・・・。
夜はきっと 私の趣味である料理で 3人で飲み明かしていたであろう
残念だけど でも残念だと言ってしまうと 父がさみしくするだろうから
残念だという言葉は 出さないようにしよう。
私の中にいる父を感じながら 今日もまた 母と語り合おう・・・。
「パパ おめでとう・・・」
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