彩 思 い [ ayaumui ]

『彩思い(あやうむい)』 

ブログ『彩思い』は新城音絵の文筆記録のページです。
オフィシャルブログは『南島游行』へ移行いたしました。

おばあちゃん保育園

Aiueo01_2 幼いころ 母の仕事の間 私は「おばあちゃん保育園」だった。

若いころ 小学校の先生をしていた祖母に 私はひらがなを習い  なまえの書き方を教わった。

今は どこにあるのか ないのか わからないが たしかきみどり色の枠がついたホワイトボードのようなものに このあいうえおマグネットを並べて遊びながら あいうえおを覚えさせてもらった。

そしてごはんの時間には おばあちゃん特製のたまごかけごはんを食べさせてもらう…それが大好きで 楽しみで なんとも幸せな時間だった。

今日 探し物をしていたら 茶色い袋に入って 大切にとってあるこの思い出の「あいうえお」に再会した。私と今は亡き祖母との大切な思い出の時間を 母が大事にとっておいてくれたようだ。

あのころのように「あいうえお」を並べてみると…Aiueo02_2

ん…
いくつか 欠けているところがあるようだが…

胸が熱くなった。

2008.02.05 カテゴリー: 024 思い出・想い出 | 個別ページ | コメント (2)

『ばがけぇーらの踊り』・二十年の想い

 昭和61年6月3日、待望の石垣市民会館が完成した時の、私の感動と興奮といったらただならぬものであった。思い起こせば小学5年生だったようだが、21年の歳月が経った今でも、あの時刻まれた強烈な印象は、私の胸を熱くさせるのである。

 「私たちには、私たちの祖先が創造してきた格調高い民俗文化があり…」ときの市長、内原英郎石垣市長の力強い開館のお言葉に、子供ながらにとても誇らしい心持ちを覚えたことを、私は今でもはっきりと憶えている。

 その記念すべき杮落とし公演は、それこそ私たちの祖先が、いにしえより、暮らしの中で、あるいは祭りの場で、歌い継ぎ、踊り伝えてきた民俗芸能の舞台『ばがけぇーらの踊り』であった。

 石垣市民会館初代館長であり、沖縄を代表する演出家であられた故宮城信治氏の演出のもとに繰り広げられた八重山民俗舞踊保存会の皆さんの熱演は、晴れやかな祝いの日の「さにしゃー」の想いをいっぱいに包含した、まさにハレの舞台。ことに、米つくりの行程をメドレー形式で組み立てた第三部では、それまでに観たことのない演出が斬新で鮮烈だった。

 踊り手たちによるユンタジラバの声の響きは島の子である私の血をさわがせ、体を奮い立たせた。踊り手たちの汗は陽光の眩しさを想像させ、積み上げた俵を囲み、歓喜に満ち満ちた幻想的な「とぅずみ」は、清らかな風のそよぎを肌に感じさせるほど荘厳だった。 
 
 また、舞踊化された農作業の具体的な所作に、めずらしさ、おもしろさを感じておこる客席のどよめきや、なつかしさに涙ぐむお年寄りの姿も見られ、演者と観客とが一体となって創り出す「舞台」という一世界の、美しい力を授けてくれたように思う。

 ところで、それまでの発表の場といえば、学校の体育館、各公民館、またはホテルの宴会場といった具合で、音響や照明、舞台美術などの技術環境はもとより、専門の技術スタッフもまだまだ乏しかったと思う。観る側の環境も決して恵まれてはいなかった時代を思うと、踊り手のみなさんのあの顔、あの瞳、そして体の内から溢れ出るような力の漲りは格別だったように思う。

 「私たちの芸の城・発表の場、そして活動の拠点が、今ここに築かれたではないか。さぁ 私たちの時代がやってきた!」。きっとこの心意気だったのではと思う。目をとじると、新井三千師匠、金嶺ヒデ師匠、大浜良子師匠をはじめ、今は亡き先輩方のお元気だった姿をも鮮明によみがえるほどだ。

 さて、本日3日に石垣市民会館開館二十周年記念公演で『ばがけぇーらの踊り』が再演されることとなった。あの時、わくわくしながら鑑賞していた小学5年生の私も、今回は八重山民俗舞踊保存会の一員として演者の一人をさせてもらうことになり、二十余年前のあの日の感動と、今舞台に立つことのできる喜びとが重なり、身の引き締まる思いである。そして八重山の古(いにしえ)人たちが、また舞踊界の先輩方が積み重ねてこられた熱き「想い」を、私があの時授かったように、私も次へとつなぐことのできる一人になりたいとつよく思う。

(八重山毎日新聞 「随想」2007/6/3掲載)
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 上記は 6月3日の『ばかけぇーらの踊り』公演 再演に向けての想いを 八重山毎日新聞に掲載していただいた文章です。

2007.06.05 カテゴリー: 024 思い出・想い出, 025 祭り・芸能・舞台, 18 随想/八重山毎日新聞 | 個別ページ | コメント (0)

ばがけぇーらの踊り

今年は 石垣市市制60周年 石垣市民会館開館20周年の節目の年ということで
20年前の石垣市民会館杮落とし公演で演じられた
「ばがけぇーらの踊り」が再演されることとなった。

思い起こせば 私が小学校6年生の時
この公演のため 連日連夜の稽古に励んでいた母の姿が思い浮かばれる。

その母も 今年還暦を迎え 小学生だった私も いい歳になった。

そして 20周年の節目の舞台には 私たちも出演することとなったのである。

大きなホールの杮落とし公演・・・
八重山舞踊の公演を数多く観てきたが
あの時の公演ほど 印象に残っているものはない というほど
とても深みのある そして重みのある舞台だったことを
小学生ながらに 感じていた。

新しい建物の匂い 目にやさしいうす紫色のシート
あのころは最先端の音響 照明機器
そして きらきらと輝く 踊り手のみなさんの姿

今では お亡くなりになられた先生方の
若かれしころのお姿も 今 なつかしく思い起こしている。

さて 今回の演目は 20年前に演じられた演目を ほぼ再演した形である。

その演目の中で 私たちが演じることになりましたのは
雑踊り「まへーらつぃ節」 女踊り「鳩間節」 雑踊り「笠踊り」の三題。

25 26 27日の舞台稽古も無事終了。
本番に向けて 最後の追い込みの1週間が始まった。

公演詳細は また後日・・・。

2007.05.28 カテゴリー: 024 思い出・想い出, 025 祭り・芸能・舞台, 041 Blog[南島游行] | 個別ページ | コメント (2)

こどもの日

私の子どものころの「こどもの日」というと
母と二人の「歩け 歩け大会」だった。

決まって こどもの日(5月5日)と 体育の日(10月10日)は
母と二人 お気に入りのリュックを背負って 歩くのである。

Oto
コースは 年齢によってだったが
児童公園 または観音堂
年によっては 逆コースの ホテルサンコースト(現・全日空ホテル)

毎年 父も誘うのだが だいたい二日酔いか何かで
目的地に車で向かい 私たちを迎えてくれる役だった。

そこまでの道々は その年によって変わるが
必ず 途中で母が買ってくれるものがあった。

「レモン」である。

「レモンさんが 元気 元気にしてくれるのよ。」と 母。

レモンを買ったお店のおばちゃんに 二つに切ってもらって
母と私で はんぶんこしたレモンを手に また歩き出す。

Mama_oto
さて 西側コースの年は だいたい市役所通りをまっすぐに歩く。

市役所通り といっても 今のように車の数も多くなかったし店舗や事務所も 今のように多くはなかった。

歩きながら どんなおしゃべりをしたのか
どんな歌をうたったのか はっきり覚えてはいないが
今でも レモンのすっぱさは
あの日の記憶を 呼び覚ます。

炎天下 おっきな太陽 

絞れるほどの汗 首からかけたお気に入りのタオル

ほどけたくつ紐 靴擦れしたかかとの絆創膏

「もう少し もう少し」 応援団長のママの手

ゴール地点で 迎えてくれる父の
「今年も よくがんばりましたね。 えらい!えらい!」

なんだか少し 誇らしい 私の気持ち。

そして パパのごほうびの 「パパのおんぶ」

Minnade02

帰り パパが運転する車の中で・・・

パパとママの声に守(も)られて
うとうとの私。


今年の「こどもの日」。

年齢だけは 大人になって もう12年・・・。

毎年の 母からの 何よりもの贈り物。

「あなたのお母さんで ありがとう。 パパとママの お宝ちゃん。」

「こちらこそ・・・。」

2007.05.05 カテゴリー: 024 思い出・想い出 | 個別ページ | コメント (0)

私の書棚から・・・

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