私の子どものころの「こどもの日」というと
母と二人の「歩け 歩け大会」だった。
決まって こどもの日(5月5日)と 体育の日(10月10日)は
母と二人 お気に入りのリュックを背負って 歩くのである。
コースは 年齢によってだったが
児童公園 または観音堂
年によっては 逆コースの ホテルサンコースト(現・全日空ホテル)
毎年 父も誘うのだが だいたい二日酔いか何かで
目的地に車で向かい 私たちを迎えてくれる役だった。
そこまでの道々は その年によって変わるが
必ず 途中で母が買ってくれるものがあった。
「レモン」である。
「レモンさんが 元気 元気にしてくれるのよ。」と 母。
レモンを買ったお店のおばちゃんに 二つに切ってもらって
母と私で はんぶんこしたレモンを手に また歩き出す。
さて 西側コースの年は だいたい市役所通りをまっすぐに歩く。
市役所通り といっても 今のように車の数も多くなかったし店舗や事務所も 今のように多くはなかった。
歩きながら どんなおしゃべりをしたのか
どんな歌をうたったのか はっきり覚えてはいないが
今でも レモンのすっぱさは
あの日の記憶を 呼び覚ます。
炎天下 おっきな太陽
絞れるほどの汗 首からかけたお気に入りのタオル
ほどけたくつ紐 靴擦れしたかかとの絆創膏
「もう少し もう少し」 応援団長のママの手
ゴール地点で 迎えてくれる父の
「今年も よくがんばりましたね。 えらい!えらい!」
なんだか少し 誇らしい 私の気持ち。
そして パパのごほうびの 「パパのおんぶ」
帰り パパが運転する車の中で・・・
パパとママの声に守(も)られて
うとうとの私。
今年の「こどもの日」。
年齢だけは 大人になって もう12年・・・。
毎年の 母からの 何よりもの贈り物。
「あなたのお母さんで ありがとう。 パパとママの お宝ちゃん。」
「こちらこそ・・・。」
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