旧暦五月四日・ユッカヌヒー。昔からハーリー鉦とともに梅雨が明けると言いますから、今年もいよいよ夏本番!といったところでしょうか。年々暑さが倍増しているように思える日本の夏、今年はノーネクタイ・ノー上着「夏のビジネス軽装(クール・ビズ)」の涼しい話題で始まりましたが、テレビの国会中継や会見は、まさに「ノータイで問われる閣僚たちのファッションセンス!」といったところです。
今回、霞ヶ関でも話題となったわが沖縄の「かりゆしウェア」は、二〇〇〇年の九州・沖縄サミットをきっかけに普及が進んだと憶えています。今では沖縄のビジネスシーンに定着し、代表する稲嶺県知事はいつもおしゃれなデザインをステキに着こなしていらっしゃいます。「涼しい。でも無礼でない」というのが夏の軽装においての重要なことだと思いますが、わが八重山のみんさーウェアは、シンプルでモダンで、そのうえ上品で、霞ヶ関の皆さまにも、イチオシの夏スタイルだとお勧めいたします。
さて大きなねらいはエネルギーの有効活用、そして地球温暖化防止。でも締めていたネクタイをただ外しただけでは襟元が広がってやっぱりしまりがないものです。中にはワイシャツの長袖を肘下辺りまで捲っている方も。頭にネクタイのハチマキは無いものの、居酒屋で一杯!いえ、すでにできあがっているおじさまスタイルに見えてなりません。リゾート地の礼装によく用いられるスタンドカラーや、ボタンダウンやスナップダウンのような襟元に気をつかったデザインを着こなしていただきたいものです。
さて以外と喜んでいるのは女性の方かもしれません。厚着の男性に合わせて温度調整されている夏のオフィスではハイソックスにニット、おまけに夏が過ぎたころには微熱の続く冷房病に悩まされる人も少なくないようですので。
「クール・ビズ」の大号令により、これまで以上に、麻の生成のスーツなどをさらりと着こなす男性の夏姿に、たまらなく惹かれるのは私だけでしょうか。
(沖縄タイムス「唐獅子」2005/6/10掲載)
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