ハーリー鉦とともに 梅雨が明ける と
沖縄では昔から言われている。
福木の あの黄色い花が 村の道中に敷きつめられて
湿り気を帯びた夜風に混じり 香りを放つ。
私にとって それこそ
梅雨の訪れを告げ来る 心地よい香り 好きな匂いである。
あの香りのころに始まった島の梅雨が
ハーリー鉦とともに明けるのである。
今 島は 夏の匂いを抱いてくれている。
夜 静まり返った島に立ち
深く 息を吸い込んでみる。
島の静けさを 体いっぱいに吸い込んでみると
もうすぐ そこにやってくる 賑やかな島の夏色が見えてくるではないか。
それは南風が運んでくれる 潮の香り 夏の匂い。
まさに 島は 今 「夏至南風」 である。
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