初めて 電信屋(でんしんやー)に行きました。
父が描いた絵の中に 電信屋を描いたものがあって とても気になる作品の一つだったんですが 実際に行ったことはありませんでした。
さて このでんしんやー 又の名を元海底電線陸揚室。
日清戦争終結後 通信の重要性を理解していた日本は 植民地となった台湾との間に軍用海底線を敷設する事にし 翌年に鹿児島~沖縄本島 その翌年明治30年には石垣島を経て台湾との間に海底船を敷いて 日本~台湾間の通信施設が完成したということです。
この時 中継場所として作られたのがこの電信屋なんですね。
壁や天井に無数の弾痕が残っているせいもあるのでしょうが 私は建物に近づくと 何か人間の念のようなものを感じて とても苦しくなりました。何も怖い場所ではないのでしょうが とても不思議な感覚にとらわれたものです。
建物から遠ざかると スーッと楽になるものですから 不思議です。
でも 遅くなりましたが 訪ねることができて とてもうれしかったです。この空気の中で 父はあの絵を描いたんだな…と思いながら 感慨深い心持ちを抱いておりました。