石垣島の海開きは、いつごろから三月にするようになったのでしょうか…はっきりと思い出せませんが、頭に浮かぶことは「寒い」という記憶。大体はジャンパーやウインドブレーカー、腕組みをしてブルブルと震えながら…という絵柄ばかり思い出されます。
「青い空・青い海」を島の宝に、観光業という生業が成り立っている島なのですから、島の青が一番美しいお決まりの季節に、堂々と開催してはいかが、と思うのは私だけでしょうか…。
眩しく射込む陽光のもと、吹き出す汗と冷たいビールの追っかけっこを楽しみたい!素足にサンダル、夏のおしゃれも満喫したい!と思うものですが、現実はアイスだってスイカだって、きっと×ゲームだろうし、サングラスだってまだまだ出番じゃない…。海の神様、祭事こそ、最もふさわしい頃合いが大切ではないのですか?
さて今年は、去る三月十三日に「日本一早い夏!最南端八重山の海びらき」と題して石垣市川平の底地ビーチで開催されました。調子よく続いていた夏日が一変して急激な冷え込み…初泳ぎの時間帯には十二・四度。海びらき日和に恵まれた去年の陽気に引き続き…とはいきませんでした。地元の新聞につづられたのは「防寒対策をしての初泳ぎ」や「寒さに悲鳴」の文字。写真にはニット帽やフリース、セーターの出で立ちも。「日本一早い」ことへのこだわりを貫かなくてはならないのなら、いっそのこと新年元日に開催される小笠原の海開きにあやかってはいかがでしょうか。そのころの方がよっぽど夏日に恵まれているものですよね。
「日本一」でなくていい、「早く」なくていいから、「美しい」海開きで夏をお招きしたい、かけがえのないこの島の、輝く彩、薫り、恵みを、私は堂々と自慢したいんですもの。その想いこそ、きっと観光の島の心ですよね。海を知り、海を慈しむ「美しい海の祭典」で夏をお迎えできる島人でありたい、そして、とじめの時には海への感謝祭「海結び」をしたいものですね。
コメント